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旧海軍「兵学校運用術教科書」から塗装関連の事項を紹介します。
船体保存手入法の塗料、塗粧法、防銹、甲板手入法、入渠、載貨貯蔵法、曳航給油法、艦内経済など多岐に渡る項目
のなかから塗粧、塗料に関連した事項を抜粋、転載しました。
例によって読める程度に画質を落としたスキャナ取り込みです。
歪みですが70年前の本なので広げることを避けた結果こうなりました。

これらの教科書は改定が行なわれるまでの数年間は使い続けられ、現状と違ってしまった事項等は講義中の口述及び添付
資料等によって随時訂正されていたようです。元々の所持者が加えたと思われるアンダーラインや手書きの書き込みでそれらの
事項の様子も知ることができると思います。




第一節 船体腐食の原因から第一項 腐食を省略しました。
省略部分には 水線下の電食防止に
「推進器軸外側及舵面等ニ保護亜鉛ヲ付着シ之ヲ防止ス」
の記載などがあります。

外舷用の黒、鼠、銹の各色に塗面光沢拭きのための「塗具油拭」
塗料があったようです。手記等で「ペンキ泥棒して被服に付着した
塗色はラシャどうし擦り合わせると目立たなくなる」と言われていた
ものは顔料の少ないこちらの塗料のことだと思われます。






銀色塗具の鍍鐵部繕ヒ塗用がなにを意味するのか不明です。

(ジュラルミンニ対シテハ)光明丹塗料は使わず、また発光塗料も
「日本海軍デハ使用セズ」とト書きされています。






昭和初期の第二種(艦底)塗料には淡緑色もあったとも言われ転覆
後回航された「友鶴」での目撃談が知られています。ここでは塗色は
不明ですが商品名だとすると調査確認が可能かも知れません。
第三節及び第四節塗粧法 第一項 材塗粧法、第二項 鋼板塗粧法
は工廠での事項が主なので省略しました。 

(塗具余リ厚クナルト戦時 ソノ他火災ノ時 燃ユル恐レアリ)のト書き
からこの当時から可燃性を危惧していたらしいことが解ります。
第四節塗粧法 第三項 塗粧実施上の注意 は省略しました。
主に刷毛の使い方や塗料缶の扱い方などです。






省略した第三項 塗粧実施上ノ注意 の終わり部分と以下に第五節
塗面ノ保存手入法 です。

ここで言う塗具を使う「油拭」(油磨改め)は塗装表面に対して行なう
塗粧で、無塗装鋼板の油磨(一號鉱油使用?)とは違うようです。







第二項 発銹セル塗面ノ保存手入要領 は省略しました。
繕い塗粧の前の銹落しについて注意事項等の記述です。
また、第三項 「ジュラルミン」保存手入法も省略しました。

以下は巻末の(参考)から抜粋した各種塗料の仕様です。
原料分量の単位は匁(もんめ)になっています。

































別頁に
ラジンは「スター・ハートマン・エンド・ラジン」艦底塗料の略称
インターナショナルは「ホーザツフエルス・インターナショナル・コンポジション」
艦底塗料の略称
との記載がありました。

(参考)
艦底ニ付着スル生物から一部を抜粋しました。
九項に「淡色ヲ理想色トスルモ…緑青等ヲ可トシ…」などの記載が
ありますが詳細は不明です。